2021年12月28日に当院での「ポスコロ専門外来」の取り組みに関して富山テレビでの取材が放映されました。
新型コロナウイルスの感染者が増えるにつれて、報告が相次ぐ新型コロナの「後遺症」。どんな症状があり、どう対処すれば良いのか…。コロナ後遺症の専門外来を立ち上げた医師などを取材しました。
*後遺症に悩む50代女性(富山市)「本当なら匂いするはずのものがにおいしない」 *後遺症に悩む20代女性(富山市出身)「食べることがすごい好きなのに、食べられなくなるときもあって、食べてても全然楽しくない」
新型コロナウイルスによる後遺症。 国立国際医療研究センターの調査によりますと、感染を経験した4人に1人が半年後も後遺症に悩まされ、11人に1人は1年後も症状が続いているといいます。
県内に住む20代の男性です。 9月上旬に感染し、退院した後も倦怠感や頭痛、味覚・嗅覚障害に加え、睡眠障害も残っているといいます。
*後遺症に悩む県内在住の男性(20代)「絶対自力で寝ることできない。睡眠薬飲んでも、2時間くらいで起きたり、熟睡できない。脳がずっと起きている感じ」
県内の内科や耳鼻科、精神科などにかかっていますが、後遺症の原因や治療方針を見いだせず不安を抱えていました。
*後遺症に悩む県内在住の男性(20代)「親とかに相談しても気の持ちようだとか、友達に聞いても心の問題と言われるのが正直一番辛い。自分で調べて、似たような症状の人に(SNS等で)連絡してみたりとかしたら、私はこれで良くなりましたと言われるが、本当にそれが正しいのか正直わからない」
こうした人を救おうと、後遺症の専門外来を立ち上げた石川県加賀市の永田医師です。
*ながたクリニック 永田理希院長「富山から結構多い。北陸3県の中では富山からの患者が結構多い。迷子になっている人が大勢いるのではないか。行きたいけど相談できない、地方がゆえに、コロナに罹ったって言いづらい。それで後遺症に悩んでいる。後遺症もうつるんではないか。そういう地方独特の偏見があるのかもしれない。職場にも学校にも家族にも相談できない状況の人がいる」
富山県内から専門外来を訪れている患者のカルテです。 嗅覚障害に脱毛、不眠を訴え、県内にある病院の様々な診療科にかかりましたが、最終的にこの専門外来に行きつきました。
*ながたクリニック 永田理希院長「結局これだけ検査されて、4つの科にかかってそれぞれで毎回診察があって、処方が出る。診察受けて検査受けて薬をもらうが、私は今後どうなっていくのかという説明がなくて、そのことはどこどこの科の先生に聞いてくださいと。結局結論が出ないまま、1日かけて終わったとなると、不信感や不安感が募ってしまったと」
まずは1時間以上かけて患者から話を聞くという永田医師。 明確な治療法がないなか、現代医学だけでなく、漢方など様々な治療法を患者に提案しています。
*ながたクリニック 永田理希院長「迷って悩んでたらいまわしにされて、エビデンスがある治療がとなると何も対応できないことになってしまう。サポートして、カウンセリングもしながら、日常生活に戻れるように寄り添いながら対応していくことが後遺症外来。治療法があって、この薬で治りますよっていう外来ではない。程度は様々にしろ、漢方や色んな治療を駆使しながらカウンセリングもして、ほとんどの方が治ってきている」
この後遺症、特効薬はないが少しずつ改善できる…。 そのために、永田医師は患者を迷子にさせないことが大事だと、だからこそ例えば自治体には、嗅覚・味覚障害を訴える患者はこの病院、症状が多岐にわたればこの病院といった情報の整理と発信、そうした体制作りを求めたいと話していました。
コロナの感染時は軽症でも、その後、後遺症が残ったという例も多く、ワクチンを打ったから私は重症化しないと甘く見るのではなく、感染しないための対策を続けることが大切です。